機材レビュー「ドラムスティック用ワックス ZILDJIAN DRUMSTICK WAX」★★★☆☆

前回の続き。スティックのすべり対策として試したのはこっちが最初。何しろレビューの評価が高い。

ハンドクリームのようにワックスを指ですくってスティックに塗るのとは逆で、
石鹸のような固形のワックスを容器から取り出して、スティックにこすり付けて馴染ませる。
焼き鳥屋みたいにスティックを回しながら2秒も塗ればグリップ感の違いは一瞬で分かるほどの効果あり。

ネバネバ成分に流動性がなく糸を引いたりもしないので、手が液状のものでベタベタになる感じではない。
手にワックスが残るが、放置していても自然と気にならなくなる。
しかし、かなり甘めの香り付けがされていて、ワックスを塗った部屋も手も甘い香りに包まれるので、食事前には手を洗いたい。

かなり薄く塗っても効果があるし、30分程度の演奏ならグリップが保てると思う。
正確には、スティックにあったグリップが手に移行し、後半は手がワックスでコーティングされている気がする。
筆者の演奏レベルでは、微妙に変わっているであろうグリップ感が演奏に支障をきたすことはなかった。
しかし、繊細なニュアンスをコントロールするレベルのプレイヤーには、この微妙なコンディションの変化が敬遠されるかも知れない。

目立ったデメリットはやはりベタ付きで、その日初めてスティックを触ると、ちょっとテンションが下がる。
慣れ過ぎれば欠かせなくなる。無ければうまく演奏出来ない、という中毒はあまり好ましくない。
前回レビューしたグリップ付きのスティックが体に合えば、ベタ付かないグリップ感がとても心地よくなる。筆者のケースではグリップ付きスティックに軍配。
このワックスの良さは、既にお気に入りのスティックがある人が、浮気せずにグリップアップの手軽なバリエーションを試せることにある。逆にスティックの太さぐらいにしかこだわりがなければ、他も試したい。

これを言ってはレビューの意味がないが、使用感を伝えるのが難しいし、個人差も大きそうだし、値段が安いので、気になっている人には1回買って試してほしい。

ZILDJIAN DRUMSTICK WAX
2014/4/8