機材レビュー「電子ドラム V-Drums TD-9」★★★★☆

レッチリモードで活動中につき、ギターボーカルからドラマー兼コーラスに転職。
数年前に買って、最近はあまり使っていなかった電子ドラムを毎日使用中。売却を真剣に検討していたが、売らなくて良かった。

賃貸戸建の我が家に防音設備はなく、ドラム叩くなら電子ドラム一択。
一応メーカーは4~5社はあるが、値段・音色・再現性などの総合力ではV-Drumsの評判が良くシェアもNo.1。
そのミドルクラスのTD-9をチョイスした。これ以上はV-Drumsの上位機種か生ドラムという、と言っても間違いはなさそうな無難な選択。

まずは「再現性=生ドラムっぽさ」という点から(電子ドラムを叩いている時間の方が長くなってしまったので、評価が難しいが)。
リバウンドやレスポンスは生ドラムの方が良いので、電子ドラムがあたかも負荷付きの練習のような感じになって、スタジオで気持ち良く叩ける。
ニュアンスが変わるので、より繊細な視点で見れば、この差異は問題になり得るだろう。
しかし、細やかな表現が出来るほど上手じゃないし、曲は大味なロックだし、ということで問題には至っていない。

音色は感動的なレベルではない。ドラムのダイナミックレンジが如何に広いかを思い知らされる。
使用しているV-Drums用パーソナルモニターPM-10の性能に疑問が残る。ヘッドフォンでモニターした方が音は良い。
英語の掲示板で「手軽なホームレコーディング」を検証した人の書き込みを見たことがあるが、
V-DrumsによるMidi録音+BFD2などの外部音源、という組み合わせが最も効率的で効果的、という意見だった。直感で同意。

約20万という値段は、生ドラムの平均をとったような価格設定か。
生ドラムのセットはピンキリなので、高いのも安いのもたくさんある。
しかし、「防音環境+生ドラム」のセット価格で考えれば、電子ドラムは圧倒的に安い。Yamahaの防音室「アビテックス」の2畳・Dr-40で180万円だから、比較にならない。
音色を選べるので「1台で複数のドラムセット」と考えると安いが、これは無理やりな解釈だな~。
一方、20万円のギターに比べると、体積が大きいので割安感がある。機械なので価値がなくなるのはギターより早いが。

電子ドラムは発展途上なので、これから性能が上がって安価になると思われる。
バンドをやるとなれば、慢性的に足りないのはドラマーだが、電子ドラムがドラマー人口を底上げすることは間違いないだろう。

Roland TD-9
2012/12/18